【本日の一品】クリスチャン・ボルタンスキー「Lifetime」に自分の地獄は無かった話

さて今回から、博物ふぇすてぃばる!に参加した際にちょっと日程を長めに取ったので、回ってきた展覧会とグッズを紹介します!今回は展示の感想が長いよー!

展覧会の感想

まずはボルタンスキーです!大回顧展ということで作品のボリュームもあり、そういう意味では見応えがありました。

[blogcard url=” https://boltanski2019.exhibit.jp/ “]

《幽霊の廊下》(2019年)

一通り作品を見たのですが、正直、会場を出たときにうーんと首をひねってしまいました。「これは、私の物語にはなりえないな」と思ってしまったのです。

「Lifetime」というからには、これらの作品は私の人生、あるいはその地獄が映し出されているのかと思っていたのですが、そこに私の分はありませんでした。

《スピリット》(2013年)
《アニミタス(白)》(2017年)

ボルタンスキーの原点はホロコーストです。そこには人間の地獄があります。そして彼は人の地獄や深淵を見つめ、その後の人生をどう生きていくのか、あるいはどう生きてきたのかを残すことを作品の核に据えてきた人だと思っていました。

ただ、今回の作品群を見てみると、それらの地獄を作品としてまとめることに注力しすぎていて、演出過剰になっていた印象も否めません。

《ミステリオス》(2017年)

個人的な地獄の話をしてしまえば、私の地獄は東日本大震災で家族が被災し、深夜のニュースの行方不明者リストの中にその名前がないか、ひたすら探し続けたことです。その地獄をこの展覧会で見つめ直すことができただろうか、と思っていたのですが、ボルタンスキーの捉えた地獄の中にやっぱり私はいませんでした。

なぜそこに私はいなかったのか。それは私の鑑賞の仕方によるのだろうか、とも考えて何周もしました。でもやっぱり駄目でした。まるでボルタンスキーの作品は自分自身のためだけに作られているようで、私の入る場所がなかったように感じてしまったからでした。

《黒いモニュメント、来世》(2018年)

ひとつだけ気になるのが、今回の巡回先に長崎があることです。長崎で観る方はどのような感想を持つのかが非常に気になります。キュレーションも変化させるのか?正直言ってみたいくらいなのです。

「私の感想は作家批判なのか?キュレーション批判なのか?」とも考えてみました。最初はキュレーションがいまいち、と思っていたのですが、その辺が長崎ではっきりするのかもしれない、とも思っています。

長崎という土地は、非常に複雑な多重構造のレイヤーによって構成されていると考えています。他国との交流、幕末の激動、戦争…どのレイヤーも、長崎の人は非常に大切にしていると感じます。その人たちがボルタンスキーをどう評価するのか、個人的には非常に楽しみです。

グッズの感想

さてグッズの紹介です!今回は展覧会の規模の割には、グッズの種類がロゴグッズに収束していたように感じました。

オーナメント 各864円

その中でも目を引いたのがこちら。何だかお分かりになりますかね?

《幽霊の廊下》(2019年)

そうです。展示にあった《幽霊の廊下》。こちらがまさにグッズになっていたのでした。

全4種のオーナメント。最初は気に入ったものだけ買おうかなと思っていたのですが、まーね、全部買っちゃいますよね。

手に取ったときは正直、こういうのありなのか…?と思ってしまったことも事実。だって作品そのものじゃんねこれ。これってグッズと呼んでいいのか…?作家が良ければOKなのか…?みたいな。今も答えは出ていませんが。

ノート(シルバー) 972円
ポストカード 各162円

あとはシルバーのロゴノートとポストカードを購入。ポストカードは撮影不可の作品を選んで購入してみました。

いかがでしたか?なかなか考えさせられることが多かった展示なのですが、実はこの後、もうひとつボリューミーな展示を見に行ってきたのでした。それはまた次回に!ではまた~!

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