綺麗な朱色!麗しい漆の出土品を是川縄文館で味わい尽くす旅

さてさて、長々と綴ってきた青森旅も3日目。この日は青森市から八戸市に移動します。

1日目の模様↓

http://momonoke.wpblog.jp/exhibition/vol59

2日目の模様↓

http://momonoke.wpblog.jp/exhibition/vol60

 

移動は青い森鉄道に乗って。大荷物を持って(ほとんど購入したミュージアムグッズ)一時間半ほどかかりましたが、ほとんど寝ていたので苦にはなりませんでした。

そして到着したのが是川縄文館。

「ミュゼ」編集長の山下治子さんが各所で紹介していたレターセットが気になっていたのです。今回八戸に行くタイミングなので展示も見たいと思い、旅の予定に組み込んでみました。

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まず見に行ったパネル展。是川縄文館で保管されている泉山コレクション。その中でも、発掘調査記録の写真として撮影されたそのガラス乾板「写真」を中心にパネル展示が行われていました。

出土品だけではなく、調査中の様子も多く記録されていおり、当時の発掘方法や出土品の状況が良くわかる展示になっていました。

中でも驚いたのは、この写真を使って昭和5年頃に絵葉書が作られていたとのこと、昭和の初期からミュージアムグッズがここにあったのですね!驚きです。

なかなかコアな写真たち。個人蔵とのことでしたが、改めて商品化できたら即買いに行くのになと思いました。

続いて常設展示室内へ。やはり漆の出土品が多いからか、どことなく朱色でムーディな雰囲気です。

美しい…自室に欲しいんじゃー!

ここらへんとか娘と見たかったですね。漆塗りの櫛なんて初めて見ました。制作にも手間がかかっていそう。当時から大事に使われていたんだろうなぁ。

そしてこの土器のコーナーも好きでした。三内丸山遺跡のものより大振りで迫力があるのが展示されているのかなと。

これなんかかっこいいですねー!

このスタンプ型土器、本当にスタンプとして再現しないかな?欲しいんだけどな?さすがは版画の盛んな地域…

続いていよいよ、国宝「合掌土偶」の登場です。こんなにほぼ完全な形で出土したなんて奇跡みたいだなぁ。

あ、あの奥に…

きたー!合掌土偶です!

時空を超えて、展示室で孤独に祈り続ける合掌土偶…絵になる…今流行りのインスタ映えに女子が大挙して押し寄せる日はくるのだろうか…。

合掌土偶「それはそれで困る」

個人的には、これだけ人が「写真」に拘ってくれていることもないだろうと思うので、他人に迷惑をかけない限り賛成です。

話は逸れましたが、実物を見るとやっぱり特別な魅力がありますね。一気にファンになってしまいました。なので私のメモリーカードも土偶のお姿でパンパンですよ、ええ。

是川縄文館 ミュージアムショップ

展示を見終わってミュージアムショップをぶらぶら。こちらでも散財しまくったので、そのうちあげる記事をお楽しみに。

縄文カレー

お昼にこちらで縄文カレーを頂きました。これがすごい美味しくてがっつがつ飲み込みましたとな。この上に乗っているわらびなどの山菜が美味しくて、程良い塩気がたまりません。

個人的にはカレー屋さんはココイチよりもインデアンカレー(主に十勝で展開しているしょっぱ目のカレーチェーン店。札幌に来てくれないので筆者は常に飢えている)派なので、帯広から早く進出してほしいのと札幌中のココイチは破滅してしまえと思っています。(地味にカレー過激派)

そんなこんなで(どんなだ)次回は旅の目的地、十和田市現代美術館でラファエロ・ローゼンダールの展覧会へ向かいます。お楽しみに!

物量に感動!三内丸山遺跡と青森県立美術館を堪能する旅

青森旅行2日目の模様をお送りします。この日は晴れ、絶好の散策日和。体調も良く、ルンルン気分で目的地へ向かいました。

1日目の様子↓

http://momonoke.wpblog.jp/exhibition/vol59

三内丸山遺跡

バスに揺られてまず向かったのは、かの有名な三内丸山遺跡。修学旅行で来たことがあるような気もするのですが全然覚えていません。こんな大人になってから来るとは思わなかったなぁ。

大学院生時代に考古学のメンバーも同じ研究室を使っていたので、話を聞いて一度ちゃんと行ってみたかったのです。

平日でほとんど人がいなかったので、ボランティアガイドさんに捕まり遺跡の散策ツアーに参加することになりました。

私の他には神奈川から来た人が1人。あまりにも外が雪深いためスタッフさんから長靴を借りていました。大正解だと思います。

そう、あまりにも雪が深く、遺跡のほとんどはまっ白な節減の中で息を潜めていたのでした。

当然復元された建物も半分雪の中。ガイドさんと一緒にグイグイ中へ入って行きます。むしろガイドさんが一緒じゃなければ入る勇気がなかったかもしれません。感謝。

土器を捨てる場所、子供の墓、集会所など本当に多くの当時の暮らしの様子が残っていました。当時の平均寿命は30歳程度と聞きました。その短い生涯の中で、みんなで助け合って生きていたんですね。

やー。復元されているとはいえデカイです。樹齢うん百年の栗の木って、全然想像もつきません。当時はここにどんな森が残っていたんだろう?

遺跡のガイドツアーが終わり、ひとりでプラプラと博物館の中を見て回りました。

とても物量が多いのにすっきりと整理された展示で、これまたよく考えられているなぁと思ったのでした。

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まずはこの時の量とその展示方法!年代別に階段状になっていて、一目で土器の形の変遷が分かります。

土偶もたくさんあって、その迫力がすごいです。

そして私が気に入ったのが各コーナーに設けられている、このフォントとイラストでした。

このイラストのタッチが縄文時代を取り扱った博物館によくマッチしていると思いました。このイラストのグッズがあれば買いたいくらい!

そしてこの、何というか壁に立てかけるスタイルの展示方法も気にいりました。展示台に直に置かれるよりも非常に見やすく、それぞれの出土品をじっくり見ることができます。

ここらへんは、娘が来たら思わず「かわいい!」と言ってしまうことでしょう。

続いては土偶の製作体験。粘土をかたどって爪楊枝などで模様をつけていきます。

昨日、パンダのシャンシャンねぶたを作ろうとして失敗した私ですからね。あんまり期待せずに作ったのですが…

お、なかなか可愛いのでは!草間彌生のボディペインティングみたい!ボランティアスタッフさんにも褒められて意気揚々です。

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その後、10分ほど雪道を歩いて、青森県立美術館にたどり着きました。

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やはりこの建築が美しいですね。夜になって光る場面も見たかったなぁ。

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奈良美智作品のコレクションは非常に見応えがありました。他にも棟方志功の貴重な資料なども多数あり、常設展の面白さを再発見させられました。

青森トリエンナーレのClassical 部門も見てきました。私は個人的に椿昇さんの、「この部門は3年に一回ではなく、毎年開催が望ましい」という意見に賛成です。そうすることで、もっとバケモノのような作品が生まれてくると思ったからです。

正直、今回の部門では特に目を引く作品に出会えませんでした(もちろん私の好みなのですが)。でもこの土地は、毎年小学生が版画を刷っているし、有名な文学者も出生しているし、何というか良い意味でバケモノにような版画作品が生まれる、生まれうる土地だと思うんですよね。

トリエンナーレの方向性も、正直サイエンスアートの方向に寄りすぎず、青森でしか作れない作品と、この土地で生まれた人の精神性をアートでもっと見たかったなぁと思いました。

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色々考えながら宿に戻る途中で、工藤パンのイギリストーストを購入。地元パンと呼ばれるやつですね!ザクザクのチョコとピーナッツがとても美味しかったよ。まとめ買いすればよかった…!

次回は八戸に移動して、是川縄文館などに行った時の模様をご紹介します。どうぞお楽しみに。

ではまた次回!

冬の船旅は快適!青森の山奥へサイエンスとアートの関係を見に行く旅

札幌に訪れる観光客のようにがっちり防寒対策をして向かった青森アートの旅。今回は2月7日から2月12日までの3泊6日で実施しました。(うち2泊はバス内とフェリー内での宿泊)

この記事では1日目の模様をお送りします。やたら長いので戻るなら今ですよ。DSC03966

函館までは夜行バスで。一番後ろの列だったので、背筋も足も伸ばせて爆睡できました。

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函館から青森までは津軽海峡フェリーです。ビューシートなるものに乗ってみたのですが、これまた水平になるくらいリクライニングできて、全然人がいない…!

https://www.instagram.com/p/Be6diGYnDls/?taken-by=momonoke.museum

インスタ映えもゴイスー。写真 2018-02-08 11 20 35

降りるとすぐに花笠が出迎えてくれました。夜にねぶたのミュージアムに行くので楽しみ。

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インフォメーションセンターでバスの情報を聞き、いざお目当ての場所に向かいます。しかし、このバス停にポスター一つ貼ってなくて、着くまで非常に不安だったんだなこれが…

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バスに揺られて40分。AOMORIトリエンナーレ2017「Unlimited 」会場へ到着です。

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参加アーティストが非常に豪華だったので、これは見なくては!と。思ったのです。気になった作品をピックアップしてご紹介。

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まずは、池上高志+植田工「マリア、人工生命、膜、魚」を鑑賞。植田さんご本人が会場で作品の調整にあたっていたので、運良く作品についてお話を聞くことができました。

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展示会場全体を「母胎」に見立て、7つに細分化された作品を通して、生命とは何か、考えさせられる展開となっています。

ちなみになぜ7つなのかというと、太宰治の「津軽」に出てくる「七つの雪」からとったそうなのです。あらロマンチック。

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私が特に気になったのがこの作品。羊水のような膜の中にプカプカ浮かぶブロッコリーのDNA。それはまるで、母親の胎内で孤独に漂う胎児のようです。

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人工知能、人工生命の技術革新が続いていますが、この作品ではそれらの「母なるもの」とは何か。という問いかけをしているように思えます。

母胎のない生命予備軍と、母胎はあるのに実現できない子供たち。このあと登場する長谷川愛「(不)可能な子供」と対になるような作品かもなと思いました。

欲を言えば、個人的にはもう少し太宰治に寄せてくれたら胸が熱くなったなぁ。母の愛に飢えて放蕩を続けながら名作を産んだ作家と、青森という地域と、この作品がもっとリンクすれば、ここにしかない作品として楽しめたかなと思いました。 写真 2018-02-08 15 22 43

続いては長谷川愛「(不)可能な子供」。実在している同性カップルの遺伝情報の一部を解析し、どのような子供が生まれうるのか、顔立ちや性格などもかなり細かく表現されていました。DSC04043

こちらが「ぽわ子」ちゃん。ここまで分かっていて、技術的にはもう実現の尻尾が見えているのに、倫理的な議論が追いついていないことを目の当たりにしてしまいます。

牧村朝子さんの「今回の子供の名前、非現実的な名前にしないと、心が引き裂かれてしまいそう」というような言葉なんて、もう胸が痛いです。

寄せられていた意見がこちらに。個人的に気になったのが、同性間で子供が産めるようになると、「女がいらなくなるのでは」「男が必要とされなくなるのでは」という逆の意見が寄せられていたことでした。

倫理的な議論…でも私達の心の奥深くに「自分が必要なくなるのでは?」という思いが根底にあるのかもと思いました。人工知能の発展でもそうですよね。機会が発展すれば、人間はいらなくなるんじゃないかっていう。

むむむと考え込みながら学内のカフェ「ban cafe」へ。マスターの美味しいコーヒーとあんこサンドで、少し復活しました。私の下手くそな絵でお送りします。

バスの時間までひたすらスポーツの話してました。旅行先で野球の話とかすると文化の違いがわかって楽しいんですよー。おすすめです。

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青森市内に戻り、「ねぶたの里ワ・ラッセ」へ。ねぶたについては、祭りのニュースを見るくらいしか接点がなかったのですが…

ででーん!この迫力ですよ!カッコいい!DSC04063

自分のオリジナルねぶたを投影できるとのことで、私は話題のパンダのシャンシャンねぶたに挑戦してみました。もうこの時点で全然センスがないのがお分かりですね。DSC04064

はははは。さ、次に行きましょう。
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館内にはこんなにたくさんのねぶたが勢ぞろいしています。一つ一つがとても大きいので本当に圧巻です。写真 2018-02-08 17 29 20

古典的なモチーフから… DSC04077

こんなにかわいい動物たちまで!!  DSC04090

そしてなんとウルトラマンも!!  DSC04091

ねぶたは一夏の楽しみ。毎年新しいものを作り変えます。一年がかりで作るのにすぐ壊しちゃうなんてもったいないなーと思ってたけど、雪まつりだって儚いですよね。

お祭りってそういう一瞬に全力を尽くすみたいなところがあるから盛り上がるのかも。今度は是非お祭りの時期に行きたいものです。

次回は2日目の模様をお送りします。三内丸山遺跡と青森県立美術館に行ってきましたよ。

ではまた次回!