【コラム】SUZURIに挑戦!原民喜グッズを作ってみたの巻

何を言っているかわからないよね…説明します…。

欲しいミュージアムグッズって何だろう?

私は、ミュージアムグッズを博物館経営論の分野から考察してきたので、「自分でグッズを作る」ことから無意識に遠ざかっていたような気がしています。

「大澤さんならどんなグッズが欲しいですか?」
「どんなグッズを作りたいですか?」

と聞かれることが増えてきました。ミュージアムグッズ愛好家で、デザイン学部出身とあらば、「あなたは作る人なのですか?」と捉えられてしまうのも当然です。

作ることから距離を置いてきた自分が、「私が欲しいもの」を考えるという作業は、結構苦しい。なぜなのか、そこら辺はもう少し考えます。

私の欲しいグッズかー、と悩み、それをきちんと言語化してこなかったことをちょっと悔やんでいます。でももし今、少しだけ言葉にしてみるなら、「元になる作品や資料へのリスペクトが伝わる、シンプルなグッズ」と答えるかもしれません。

SUZURIで原民喜を

ということで、ちょっとひとまず手を動かしてみよう。と、SUZURIに挑戦してみることに。

自分だけのオリジナルアイテムを手軽に作成・販売 | SUZURI(スズリ)オリジナルアイテムを手軽に作成・販売できるサイト、SUZURI(スズリ)。自分だけの Tシャツやスマホケースなどを簡単につsuzuri.jp

SUZURIは画像をアップロードするだけで、オリジナルのグッズが制作できるサービスです。

既に指定されたグッズに画像を載せるだけのものを、オリジナルグッズと呼んでいいのか…ちょっと疑問なので、あまり近づかないでいたSUZURI。

でもやはり、ロットが1つから作れて、HPのUIもハードルが高くない。そこは無視しないで自分で試したいなと。

で、グッズの題材を何にするか。

色々考えてみて、著作権が切れた私の好きな文学作品の一節を載せたグッズを作ってみることに。原民喜の『遥かな旅』より、下記の一節をグッズにしてみました。

焼け跡に綺麗な花屋が出来た。
玻璃越しに見える花々にわたしは見とれる。
むかしどこかかういふ風な窓越しに
お前の姿を感じたこともあったが
花といふものが
こんなに幻に似かよふものとは
まだお前が生きてゐたときは気づかなかった。
ーー原民喜『遥かな旅』より

私が心の底から愛するこの一節を、グッズにして身に纏えたらどんなにいいだろう?という自分の気持ちに従ってみることに。

あえて華美な装飾はせずに。フォントはあおぞら明朝(フリーフォント)で、現代仮名遣いに直しています。

クリアマルチケースとミニクリアマルチケース

まずはクリアマルチケースを作ってみました。

画像1

ミニマルチケースはこんな感じ。キーリングがついています。ちょっとフォントを大きくしすぎたかな…と反省。

画像2

クリアマルチケースはこんな感じ。これくらいの余白があった方がいいかもね。

画像3

私はこんな風に、眼鏡ケースとミニ財布として使ってみることに。

画像4

ミニ財布は、小銭と折りたたんだお札、スタバカードを入れて。ちょっとそこまでお茶をしに、というときに良いかなと。

画像5

眼鏡を入れてみても余裕なマルチケース。ペンケースにしてもいいかもしれないけど、傷がつかないかな。このクリアさがきれいで、幻っぽいので、大事に使いたいものです。

ウエストポーチと帽子

私は無類のバッグ好きなので、ウエストポーチも作ってみました。トートバッグでも良かったんですが、既にたくさん持っているので変わり種にチャレンジ。

画像6

こんな感じ、色は白です。ここからモデルは娘です。

画像11

思ったより中の物が透けますね…ハンカチの柄が透けている。あと、印刷の滲みが少し気になりました。これは私の画像サイズの問題?それともバッグの素材?ちょっと謎。

画像7

あとはバゲットハットという帽子を作ってみました。色は同じく白です。こちらの生地の方が滲まずきれいですね。

画像8

なかなかこういう、好きな文学作品の一節がまるっと載った帽子って見かけないので、差別化できていいかもしれない。詩や俳句、短歌でもいいかも。文学館のオリジナルグッズであったら買っちゃうかもしれない。

Tシャツも作った

グッズといえばおなじみの、Tシャツも作ってみました。

画像9
画像10

TシャツのサイズはLです。なので娘にはちょっと大きめ。

フォントサイズどれくらいにしようかかなり迷った…もう少し小さめに、ワンポイントっぽく作ってもいいのかなと思ったけど、ひとまずドーンと真ん中に。

娘の習い事(演劇)の付き添いで私が着ることが多いので、何か戯曲とか載せてもいいかもしれない。それこそシェイクスピアとか。

おわりに

持ち歩ける文学、身につける文学…この『遥かな旅』を想起させるグッズとしては、マルチケースのクリアさがいいかもしれないな。印刷も思ったよりきれいだったし。

というわけで、今回は自分でグッズを作ってみたわけですが、ここらへんの自分の活動との関係性は、もう少し時間を取って捉えなおしてみたいところ。今のところ販売予定はありません…反響があれば作るかもしれませんが、SUZURIそんなに難しくないので、皆試してみたらいいかなと思います。

何か色々作った割には悶々とした内容ですみません。今日はこんなところで。また次回!

—————————————————

ミュージアムグッズの薄い本「ミュージアムグッズパスポート」発売中です!

[blogcard url=”https://museumgoods.thebase.in/”]

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします。

にほんブログ村 科学ブログ 科学館・科学博物館へ

にほんブログ村 歴史ブログ 博物館・記念館へ

にほんブログ村 美術ブログ 美術館・アートミュージアムへ

にほんブログ村 美術ブログへ

【コラム】我が家はまるでゼミな近況です。

訳あって研究計画書をもそもそと書いておりまして(博士課程に進学するとか、そういうわけじゃないですよ)。
ま、理由は来年の頭頃に追々ここにも告知できるかなーと思います。

それがまー大変なのなんのって。何より自分の頭がしっちゃかめっちゃかな状態で、それを人に(特にボスに)見せられる状態にまで練り上げるのは、やはり並大抵のことではないですね。

https://www.instagram.com/p/Bo2SzPHgNTl/?taken-by=momonoke.museum

上記インスタでも書いたんですが。

社会学をがっちりやっていた夫に相談しながら作り上げていったのですが、これが厳しいのなんの。いや、いかに自分がゆるゆるとやっていたのかを思い知らされる日々でございます。

私は目標に向かってきっちり準備して、それを上回る結果を出すことをすごく大事にしているんです。

でも何というか、調査や研究って「自分の思ってたんとちゃう」ことになるから面白いんですよね。それをね、夫に何度も何度も指摘されまして。

「お前は研究の結果をも自分の思い通りになるようにコントロールしている。そうじゃなくて、客観的に調査して結果を考察することを丁寧に、這いつくばってやれ。思い通りにならなかったからって、それを捻じ曲げちゃいけないんだ」

もー。その通りでござって。「思い通りにならないなら、なるようにする」という今までのスタイル、仕事をする上では間違っちゃいないのかもしれないけど、今回はちょっとその癖から抜け出さないといけないのですね。

こうして苦労して何とかまとめあげたので、これから必死で調査します頑張ります。それと同時並行でミュージアムグッズパスポートの2巻の内容も考えなくてはならぬですね。

あと最近!ミュージアムグッズ全然紹介してないですよね!買ってないわけじゃないんですよ。ちゃんと散財してます。紹介する前に展覧会が終わっちゃって紹介するか迷っているうちに月日が経ってしまっただけで(言い訳)

ちょっと諸々、生活を整えねばならぬですね。と言いつつ、今日は友人とこの映画見てきます。

[blogcard url=”http://www.jomon-hamaru.com/”]

「縄文にハマる人々」楽しみー!行ってきまーす!

—————————————————

ミュージアムグッズの薄い本「ミュージアムグッズパスポート」発売中です!

[blogcard url=”https://museumgoods.thebase.in/”]

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします。

にほんブログ村 科学ブログ 科学館・科学博物館へ

にほんブログ村 歴史ブログ 博物館・記念館へ

にほんブログ村 美術ブログ 美術館・アートミュージアムへ

にほんブログ村 美術ブログへ

【コラム】マキシマリストとしての生き方

タイトルが一瞬、マキシマム・ザ・ホルモンに見えるのは置いておいて。いやーあの、最近インテリアに悩みを抱えているんですよ。

シンプルライフくそくらえ

ご存知の通り、我が家は物が多いコレクター気質のある家庭でしてね。夫はマジックグッズと関連本、私はミュージアムグッズと雑貨、娘は石や鉱物。こんな感じで部屋がどんどん埋め尽くされてゆくわけです。

最近はばたばたと仕事で忙しかったこともあって、何にも家のことができてなかったんですね。そしたらもう収納はぐちゃぐちゃ。見た目もよくないし、精神衛生上もよくない。

そんなときの解決法をね、「シンプルライフ」「ミニマリズム」「断捨離」に求めたくないんだ私は!そもそも最小限主義に生きる人たちを「ミニマリスト」と呼ぶこと自体も気に食わんのだ!

だからもうね、シンプルに生きてやるくらいなら、どんどんカオスに生きてやりたいなと思っています。部屋も。「えっここ博物館?」みたいな。そんなのが理想。雑多だけど整ってる、みたいなのに憧れます。

マキシマリストで何が悪い?

…と、コレクターとしては思うわけです。というかですね、「物が多くても素敵な家」「物が多くても幸せな生活」を、一言で表せる言葉がまだ現状無いんですよ。「ミニマリスト」的な言葉が。

「マキシマリスト」ともいうらしいのですが、これは「ミニマリスト」の人が物であふれて困った暮らしをしている人を指す言葉のようで。わたしゃ別に困ってねぇし。

だからこう、インスタで素敵なものに溢れる人の写真を探そうと思っても、困るんですよ。そういう人を一言で表現できない。検索できない。まだ言葉が生まれていないんです。

だからたぶん、片付け界やライフスタイルの分野ではまだまだの領域なんでしょう。大量のものを愛する人の部屋をおしゃれに、って結構狂気の沙汰ですもんね。いつか揺り戻しが来るんじゃないかとは思っていますが。

生活を見つめなおす

最近気になっているのはこちらの記事なんですわ↓

[blogcard url=”https://100life.jp/architecture/22081/”]

 

もの、多いけど素敵じゃない?整っているようで、他人の決めた整理整頓の基準に乗っからないところが素敵じゃない??

[blogcard url=”https://www.instagram.com/p/Bc6yHHNDkDY/?utm_source=ig_web_button_share_sheet”]

 

後はこちらのおうちも素敵。一面の棚。憧れるわぁ。

まぁ我が家は物のわりに部屋が狭い!のが一番の問題なので、収納でごまかしつつも、まだもう少し手法で詰められる部分があるんじゃあないかと思うんですよね。

皆さんのご自宅、どんな感じなんでしょうかね?どうやって物と向き合っておられるのでしょう。整理整頓してらっしゃるのでしょう。

ちょっと落ち着いたら取り掛かるか…なんて思ってたらあっという間に年末になっていますので、ネバマイが終わり次第取り掛かってみようかな。

以上、私のもやもやインテリア脳内でした。

—————————————————

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします。

にほんブログ村 科学ブログ 科学館・科学博物館へ

にほんブログ村 歴史ブログ 博物館・記念館へ

にほんブログ村 美術ブログ 美術館・アートミュージアムへ

にほんブログ村 美術ブログへ

【コラム】何が定番になっていくのだろう

記念すべき100記事目!

最近はドハマリの準備や、リトルプレスの製作に追われている状況です。忙しいのはありがたいことですね。そんな中でぽいっとこのコラムを投げてみます。

私は追いかけるだけの人

毎日ミュージアムグッズのことしか考えていません。SNSで東京都内で企画されている展覧会のグッズを見ては歯ぎしりしている毎日です。

そんなときに思うのは、今の私は既に生み出されているグッズを追いかけて集める、という行為をしているんですね。当たり前です。私は学芸員でもないですし、グッズ製作の業者の方でもない。在野の愛好家だからです。

ただそれが時折ふっとむなしくなるんです。私は何もしていない。ミュージアムグッズのために何もできていない。貢献できていないなと悔しくなるわけです。

それもあって、今回イベントに参加したり、本を作ったりしているわけで。自己顕示欲でもなんでもなく、とにかくミュージアムグッズやショップの魅力を知ってほしい。そんな気持ちしかないわけです。

そんな追いかけているだけの人間ですが、思うに自分のコレクションを生かして、「このコレクションから何が言えるのか」ということを大事にしたいわけです。

量を集めるだけでは東京の企画展だらけ、面白いグッズだらけの現状に敵わないですし、しょっちゅう買いになんていけないわけですから。

ですので、これからはインプットとしてのミュージアムグッズの購入、アウトプットとして、自分のコレクションを生かしての発信・研究を大事にしていきたいなと思っています。

今後何が参入していくのか

そんな中で最近ふと思うのがですね、「次は何が定番になっていくのだろう」ということです。

以前マスキングテープに関する記事を書いたのですが、マスキングテープなどはすっかり文房具界でも定番になった感はありますよね。それはミュージアムグッズにも言えるかなと思います。

[blogcard url=”http://momonoke.wpblog.jp/museum-goods/vol87″]

 

img_9108

今おそらくキテいるのは、こちらのサコッシュと呼ばれる斜め掛けのポシェットになるのかなと思います。こちらもファッションの世界では既におしゃれアイテムとして定番化したのではないかなと。

写真は「オバケ!ホント?」の10周年記念展で購入したのですが、サコッシュは早々と売り切れておりました。可愛いですもんね。

写真 2018-08-22 17 10 07

「デザインあ」展でも売っていました。サコッシュ。この時はトートバッグも含めて3種類販売しておりましたね。

ネットで軽く調べてみても、サコッシュをオリジナルグッズとして作れる業者さんは存在しました。個人的にはトートバッグより好きです。私だってオリジナルの可愛いの作りたい…。

リサーチ!リサーチ!

マスキングテープやサコッシュがミュージアムグッズ界に参入しているとして、次は何が来るのか、そしてそれをどうリサーチすればいいのか…という情報収集が大事になってきますよね。

ミュージアムグッズのことばかり考えているのではなくて、ファッション雑誌も最近読むようにしています。文房具や雑貨についても。次は何が持ち込まれるのか、敏感になるために。

市場が小さいので、ミュージアムグッズ界からアイテムを生み出すことは難しいのかなと思います。あくまでミュージアムグッズの世界ではアイテムを持ち込まれる側なのだと。

だからこそ、これまで以上にアンテナを張ってミュージアムグッズ収集・研究に邁進したい所存であります。

なーんて、そんな決意のコラムでした。皆さん、ドハマリ2来てね!

—————————————————

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします。

にほんブログ村 科学ブログ 科学館・科学博物館へ

にほんブログ村 歴史ブログ 博物館・記念館へ

にほんブログ村 美術ブログ 美術館・アートミュージアムへ

にほんブログ村 美術ブログへ

自己紹介

このブログ「百物気 momonoke」を書いている、管理人の百物気です。
1987年生まれ。「何世代?」と聞かれたら、「レアードと同い年で、T-岡田と同学年だよ!」と答えるくらいには野球好きです。

来歴

北海道の大学でメディアアートについて学ぶものの、卒業研究で博物館学に興味を持ち、元来の雑貨好きも講じて卒論はミュージアムグッズをテーマにしました。
大学院でも博物館経営論の観点からミュージアムグッズを研究。
現在もライフワークとして全国各地のミュージアムグッズを追い求めています。

このブログで書きたいこと

このブログではミュージアムグッズや雑貨の紹介、展覧会レポートを掲載していきます。中心となるのはミュージアムグッズのご紹介。なかでも博物館や展覧会独自のオリジナルグッズは、製作者のアイデアや工夫に溢れています。

博物館や展覧会がより楽しくなるようなグッズたちを発見し、これらの楽しみ方を紐解き、皆さんに紹介していければと思っています。